赤倉岳に登り、酸ヶ湯温泉に泊まる――八甲田山に登る その二 | 楽土慢遊

赤倉岳に登り、酸ヶ湯温泉に泊まる――八甲田山に登る その二

所在地:
[酸ヶ湯温泉] 青森市荒川南荒川山国有林酸湯沢50番地
交 通:
[酸ヶ湯温泉] 東北本線青森駅、JRバス70分、酸ヶ湯温泉前下車

2012年8月14日(火):晴れ:田茂萢湿原→赤倉岳→田茂萢湿原→八甲田ロープウェー→八甲田十和田ゴールドライン(タクシー)→酸ヶ湯温泉

■(八甲田山に登る その一からのつづき)田茂萢湿原のひょうたん型の散策ルートを進み、その先にある分岐から赤倉岳への登山道に入る。するとすぐにまた分岐が現れる。右に行く道は、道標に「毛無岱・酸ヶ湯」と書かれている。この毛無パラダイスラインを行くと、毛無岱の湿原を経由して酸ヶ湯に下ることができる。われわれはもちろん直進する。

しばらくはアオモリトドマツの樹林のなかを進む。

樹林を抜けたところにノリウツギの花が咲いていた。青空と緑のなかで白い花がよく目立つ。

視界が開けたので、振り返ると田茂萢岳と湿原を見渡すことができる。山頂の向こう側にロープウェーの山頂公園駅の建物がわずかに見える。

ハイマツ帯を進み、徐々に高度を上げていく。

ハイマツ帯から振り返るとさらに展望が広がり、前嶽の向こうに青森市街が見渡せる。少し霞んではいるが、なかなかの眺望だ。

急な斜面を登っていく。山頂から下ってきた男性とすれ違ったときに、上は寒いですよ、といわれた。どうも上はけっこう風が吹いているらしい。

この道の上の方の草原は花が目につく。ウメバチソウが咲いていた。

ヤマハハコの花も咲いていた。

斜面を登りきると赤茶けた土がむき出しになった赤倉断崖に出る。東側が切れ落ちているので手すりがつけられている。断崖に設置された説明板によれば、この断崖は火山爆発の跡だという。

その手すりから断崖を見下ろすと赤い岩が突き出していた。

13:00を過ぎ、腹もへってきたのでこの断崖で昼食にすることに。新青森駅のコンビニで買ってきたサンドイッチを食べる。途中ですれ違った男性がいっていたように、断崖の上は風があり、さえぎるものがないので体がすぐに冷えてくる。

断崖から赤倉岳山頂、井戸岳、大岳の眺め

いつもはよく歩くが、今日は気楽な山歩きなので、この断崖の先から明日登る大岳などを確認して、下ることにする。

この断崖ですれ違った男女から岩木山が見えますねといわれて、そちらに目を向けると、確かに薄っすらとではあるが独特の山容が浮かび上がっていた。その前から意識はしていたのだが、どうも少しずれた位置を見ていたようだ。

再び田茂萢湿原の散策コースの分岐まで戻り、8の字のコースを行きとは違う道を使って戻る。ロープウェーの山頂公園駅で一休みし、ロープウェーで山麓駅に戻り、預けてあった荷物を回収する。

これから酸ヶ湯温泉に向かうが、残念ながら14:00台のバスは出てしまったところで、次は16:00台になってしまう。タクシーを利用すればいいと思っていたが、どうもお盆の時期はなかなかつかまらないらしい。

山麓駅の入り口の階段に、登山道で言葉を交わした男性が座っていたので話をはじめる。彼は酸ヶ湯の立ち寄り湯を利用してから、青森市街の宿に戻る予定とのことだったので、相乗りで行くことにする。駅の窓口で聞き出したいくつかのタクシー会社に、交互に電話し、やっと空いている車が見つかった。タクシーが来るまでしばらく待たされたが、それでもバスを利用するよりはだいぶ早く酸ヶ湯に着ける。(地図の下につづく)

16:00になる前にタクシーで無事に酸ヶ湯に到着。一度は泊まってみたいと思っていた宿だが、ずいぶん人気があるようだ。予約の電話を入れたのはだいたい一ヶ月前だが、第一希望だった13日(月)と告げたとたんに、いっぱいですという答えが返ってきた。14日であれば湯治部の方に空きがある(酸ヶ湯の客室には旅館部と湯治部がある)といわれたので迷わず予約した。大きな一軒宿だが、お盆の時期ということもあったのだろう。

酸ヶ湯温泉のHPから、「湯の歴史」を少し引用させてもらう。「酸ヶ湯は、三百年も昔から開かれていた山の温泉宿で、十和田八幡平国立公園の北部、八甲田の主峰大岳の西麓に位置する、標高約九百メートルの清涼な高地にあります。風光は四季の変化に富み、ブナ帯、アオモリトドマツ帯の境界付近にあるため、高山植物の種類も多く、美しい自然は学術上からも高く評価されています

江戸期より湯治客が多く、その頃は春固雪の時期だけ7里の道を登り苫小屋を立て、ねつの湯、冷えの湯、四分六分の湯、鹿の湯と雪の上を渡り歩いて入浴したといわれています。昔は露天風呂で風雪や直射日光で皮膚が荒れるので白い肌着を着て入浴したそうです

われわれが泊まるのは、湯治部の棟のなかでも奥まったところにある5号館の1階の部屋。窓の向こうには2号館の建物が見える。湯治部なので近くに自炊ができる施設が備わっているが、われわれは一泊二食での予約だ。

酸ヶ湯の名物は千人風呂。HPでは以下のように説明されている。「総ヒバ造りの大浴場「ヒバ千人風呂」は初めて見る者を驚かせます。160畳もの浴室には、熱の湯、冷の湯、四分六分の湯、湯滝など5つの浴槽があります」。ここは混浴だが、午前8~9時、午後8~9時が女性専用時間になっている。その他に、男女が別の浴場・玉の湯もある。

部屋で一休みしたあと、夕食の前にまず玉の湯の方で汗を流すことにした。思ったより混んでいて、洗い場が空くまでしばらく待たなければならなかったが、山歩きしたあとの温泉はとにかく気持ちがいい。自販機でビールが売っていたので、湯上りの一杯を味わう。

夕食は本館2階の食堂でいただく。17:30をまわったので食堂に向かう。湯治部なので、メニューも質素なのかと思いきや、刺身、揚げ物、焼き物、煮物、酢の物、漬物など充実していて、面白いかたちのコロッケなど具に一工夫あり、ボリュームも十分で、満足した。

この宿と縁のある棟方志功の版画や書が館内に飾られていることはよく知られているが、志功以外の作品も目につく。食事のあと、本館から湯治部につづく通路に飾られた作品を見ていたら、通りかかった年配の男性が、それは宿の先代が描いたものだと教えてくれた。

女性専用時間が終わった21:00過ぎに千人風呂に行った。さすがに広く、風情がある。人も多くなかったので、ゆっくりつかることができた(ここの湯はゆっくりつかるものでもないらしいが)。明日は夜明けとともに出るので朝食は弁当にしてもらい、すでに会計をすませてある。あとはゆっくり眠るだけだ。(八甲田山に登る その三につづく)

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