月岡温泉・浪花屋旅館に泊まる――新潟の温泉・霊場巡り その五 | 楽土慢遊

月岡温泉・浪花屋旅館に泊まる――新潟の温泉・霊場巡り その五

所在地:
新潟県新発田市月岡温泉609-7
交 通:
JR豊栄駅からシャトルバス、JR新発田駅からバス約30分

2015年8月11日(火):曇り:宝光寺―(徒歩)→新発田駅―(バス)→月岡温泉旧湯前→浪花屋旅館

■ (新潟の温泉・霊場巡り その四からのつづき)宝光寺のある寺町通りから目抜き通りに出て、新発田駅に戻ってきた。駅前のバス乗り場1番線でバスを待ち、16:02発のバスで月岡温泉に向かう。バスは途中で、明日利用するかもしれない羽越本線の月岡駅を横切り、300号線を進んでいく。しばらくぼーっとしている間に下車する旧湯前を過ぎてしまい、道を少し戻ることになってしまった。

本日の宿、浪花屋旅館のホームページでは、温泉の歴史と湯の特徴が以下のように説明されている。

「『美人になれる温泉』として名高い月岡温泉は、大正四年、石油掘削に際して良質の源泉が涌出、そこに建てられた湯小屋(共同浴場)が始まりとされています。(当館が1番古い旅館に該当)
 当時は、家一軒ない谷地でしたが、温泉療養の効果が評判となり、米や野菜、鍋釜をかついだ湯治客が年々増加。戦争中は疎開児童の宿や新発田部隊の療養所としても利用されました。その後、温泉場から観光地とよばれるに相応しい発展を遂げ、今では旅館も16軒を数えます。
 月岡温泉の湯は、源泉で51度、そして硫化水素の含有量は日本一といわれています。入浴すると肌がつるつるに若返り、また体が芯から暖まり、残温が長時間体内に残ることから、「美人の湯」「不老長寿の湯」として、県内外の多くの皆様に親しまれています」

浪花屋旅館は県道に面しているのですぐに見つかった。筆者が好む素朴で、家庭的な雰囲気の宿である。客室は和室が8室、定員40名。浴室は、男性浴場・女性浴場が各1。2階の十畳の和室に案内される。窓からは北東方向の風景が眺められる。月岡ニューホテル冠月や白玉の湯 泉慶の大きな建物が目につく。まずはひと風呂浴びることにして、夕食は19:00ということになった。

しかし風呂に入る前に、ご主人に尋ねておかなければならないことがあった。月岡温泉から明日の宿がある五頭温泉郷の出湯温泉に行くための移動手段だ。地図ではふたつの温泉はほとんど290号線で繋がっているようなものだが、バスの路線などはない。

公共交通機関を使おうとすれば、バスで羽越本線の月岡駅に行き、ふたつ先の水原駅まで電車に乗り、そこからまたバスということになるが、意味がない遠回りになるうえ、電車もバスも本数が少ないため信じられないほど時間がかかってしまう。出湯温泉に惹かれたのは五頭山の登山口にもなっているからだったが、これではとても山を歩く時間など作れない。

ということで地元の方であるご主人に尋ねたところ、公共交通機関では移動手段はないに等しいという答えが返ってきた。マイカー利用者以外にも、われわれのように近くにあるふたつの温泉を巡りたいと思う旅行者もいるはずだし、せっかくの観光資源が有効に活用されてないような気がしてしまうのだが――。ではタクシーだといくらくらいかかるのか。ご主人に問い合わせてもらったところ、出湯温泉の交差点までだいたい2500円とのことだった。だとしたら、交差点から少し山に入った登山口まで行ってもらっても大してかからないことになる。

「その一」の最初に書いたように、今回の旅では山はほとんど諦めかけていたのだが、一気に五頭山に登るモードに切り替わった。ご主人に翌朝のタクシーを予約してもらい、朝食を早めにとって出発することにした。しかもなんと、旅館のスタッフの男性が山登りを趣味にしている人だということがわかった。筆者が五頭山の話をしているのを耳にした彼は、ガイドブックや地図を持ってきてくれて、コースなどのレクチャーまでしてくれたのだ。

五頭山は標高912mの低山なので、久しぶりに山歩きするには調度いい。家で目を通してきた『谷川岳と越後の山』(山と渓谷社)には、「年間登山者数が新潟県内で最大」の山と書かれていた。この時期はかなりの暑さを覚悟しなければならないので、ドリンク類を手に入れるために買い物に出る。

県道を東に少し歩くと、村上館湯伝の向かいにスーパーのナガオカヤがあり、そこでドリンク類を調達した。村上館湯伝の隣に建つ結城屋の「かりんとう饅頭」というのぼりが気になったが、もう閉まっていた。筆者はかりんとうが好物なのだ。

夕食は、空いている隣の部屋に移動していただく。刺身、天ぷら、ぶりかまの塩焼き、焼肉、酢の物などボリューム満点。そして、当然のことながらご飯がとんでもなく美味かったが、すでに料理でだいぶ満腹になってしまっていて、たくさん入らなかったのがちょっと残念だった。

風呂には、買い物に出る前に一度入り、寝る前にまた入った。エメラルドグリーンの色がきれいで、浸かると成分が濃厚な湯であることがよくわかる。これまで味わったことのない濃厚さだ。昨日まで仕事が忙しかったので、久しぶりに山に登る前に疲れがとれ、ありがたかった。オススメの湯である。ちなみに、浪花屋旅館のHPではお湯のことが以下のように紹介されている。

「月岡温泉の温泉街に入ると真っ先に温泉の香りが感じられると思います。この香りからも温泉の効能が期待できることでしょう。
 お風呂に入ってまず目に付く温泉の色は綺麗なエメラルドグリーンをしています。あまりに綺麗なので、入浴剤と勘違いされる方のいらっしゃるほどです。そして、月岡温泉の効能と言えば何と言っても「美人になれる温泉」です。硫化水素泉が肌を白くし、ツルツルにします。もちろん肩こり・神経痛・リューマチなどにも効果がありますし、婦人病・胃腸病・糖尿病等にも効果があります。
 入浴後のポカポカ感が持続することも特徴と言えます。浪花屋の湯につかり心身ともに癒されてみてはいかがでしょうか?
(アクセサリー等は必ず入浴時にはお外しください。変色する場合があります。)」

夜はお借りしたガイドブックと地図をチェックし、メモをとり、気持ちよく眠りについた。

新潟の温泉・霊場巡り その六につづく)

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