GW東北・温泉めぐりの旅、その三では、台温泉の吉野屋旅館を出て、電車で東鳴子温泉に向かい、いさぜん旅館に宿泊する | 楽土慢遊

宮城・東鳴子温泉のいさぜん旅館へ――GW東北・温泉めぐり その三

所在地:
宮城県大崎市
交 通:
JR陸羽東線・鳴子御殿湯駅下車

2011年5月2日(月):晴れ、暴風:台温泉→花巻→一ノ関→古川→鳴子御殿湯→いさぜん旅館





■(GW東北・温泉めぐり その二からのつづき)吉野屋旅館の夜は、建物の脇にある水路を水が流れる音とカエルか虫か判然としない、かすかに響く鳴き声が混ざり合って心地よいBGMとなり、ぐっすり眠ることができた。

翌朝、目を覚ますと、空は晴れていたが、強烈な風が吹いていた。窓から表通りを見ると、向かいの民家に飾ってあった花の鉢が道路に落ち、割れていた。

朝食をとり、9:02発のバスで花巻駅に向かう。駅の改札口の前は人でごった返していた。強風のため(おそらくは朝から)電車が動いていないのだ。バスに乗っているときにいやな予感はしていたが当たってしまった。ところがしばらくして一ノ関行きの電車が動くことになり、急いで乗り込む。それからもしばらく待たされたが、とにかく出発。

しかし少し走ったかと思うと止まる。前の電車が詰まっているらしい。気長にいくしかないだろう。窓から眺めると、名前も知らない川に沿った桜並木が満開になっていた。

本日は一ノ関で乗り換えて小牛田まで行き、陸羽東線の鳴子温泉行きに乗り換え、鳴子御殿湯駅まで行くはずだったが、出だしからつまづいた。電車は北上や平泉などで何度も待機し、やっと一ノ関に到着。

しかし、小牛田に向かう電車はまったく走る気配がない。一ノ関駅の周辺をぶらぶらするが、待っても状況がかわりそうにないので、新幹線の振り替え輸送で古川まで行き、そこから鳴子温泉行きに乗り換えることに。

古川から乗った鳴子温泉行きは、一部区間で徐行したもののそれほど大きく遅れることなく鳴子御殿湯駅に到着。次が終点の鳴子温泉駅だが、われわれの目的地は東鳴子温泉なので手前の駅で下車する。

ホーム脇の桜の木も満開である。鳴子御殿湯駅は、構内に畳敷きの休憩所があり、こじんまりとしていて雰囲気のある駅だった。東鳴子温泉観光協会が作っているサイト「東鳴子温泉案内」には、この駅のことが以下のように記されている。

鳴子御殿湯駅(なるこごてんゆえき)は1952年1月25日東鳴子駅として開業。1997年3月22日鳴子御殿湯駅に改称。2004年9月18日(旧駅舎を6月下旬に解体し)新駅舎に更新されました。

本日の宿、いさぜん旅館は駅のすぐそば。駅前にたって町に目をやると、もう建物が見えている。赤が目立つ「なるみストアー」の向かいだ。

旅館のご主人がタイガース・ファンらしく、ロビーにはグッズがたくさん並んでいる。ちなみに、入り口わきに立つ立派な枝ぶりの長寿の松をくぐると長生きするらしい。客室は和室が32室。旅館部が7室、湯治部が25室(そのうち、台所付きが13室、共同キッチンが12室)。

温泉の泉質は、ナトリウム-炭酸水素塩泉(旧泉質名 純重曹泉)、ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物・硫酸塩泉(旧泉質名 含食塩・芒硝・重曹泉)。効能は、神経痛、筋肉痛、関節痛、婦人病、火傷、切傷、痔疾、便秘、胃腸病、運動麻痺、慢性消化器病、冷え症、子宝に恵ない方、手術後の保養、リウマチ、その他。

案内された部屋でひと休みしてから、まずは旅館の猫に挨拶する。ロビーをうろついていたので、しばらく戯れる。前にもう一匹、かなり有名な猫がいたはずだが、ご主人に尋ねると亡くなってしまったとのこと。ロビーの壁にはその猫の写真が飾られている。

夕食の前に温泉に入る。男性用の大浴場と女性用の中浴場を、時間によって男女を入れ換えることになっているらしいが、まだ早い時間なので中浴場の方が男湯になっていた。この中浴場には石造りの露天風呂もついている。湯船で農家の方と話をした。海から距離があるので津波の被害は免れたが、地震でポンプや用水路がやられ、田植えの時期が大幅に遅れるとのこと。

いさぜん旅館は予約の時点で(震災の影響から)朝食のみというお話だったので、夕食は外でとることに。旅館でもらった「東鳴子温泉イラストマップ」を見ると食事ができるお店が何軒かある。まずは見物も兼ねて表通りを鳴子温泉方向に歩いてみる。「食堂千両」とその先の「居酒屋おふう」をのぞいてみたがまだやってないようだ。

そこで引き返し今度は川渡温泉の方向へと歩いてみる。線路の下をくぐってしばらく進むともう視界が開ける。こじんまりとした温泉街である。

さらに歩きつづけると焼肉「八兆」にたどり着く。営業中になっていたので、夕食は焼肉にすることに。カルビ、レバー、タン、塩ホルモン、海鮮焼・イカなど、どれもボリュームがあり、リーズナブルで、美味かった。地元では人気のお店のようだが、オススメである。

旅館に戻ってからも腹が苦しくてしばらく動けなかった。23:00近くなってやっと楽になってきたので、今度は違う風呂へ。「炭酸泉」と「鉄鉱泉」が仕切りを隔てて並んでいる。こちらは混浴だが、夜遅いので無人だった。脱衣所の説明によると、まず「炭酸泉」に入り、上がり湯として「鉄鉱泉」につかるのがよいらしい。前者は温めで、後者は少し熱めの湯で、すっかりくつろぎ、部屋に戻って眠りについた。

GW東北・温泉めぐり その四につづく)




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