飛騨口から仙人滝に寄って飛騨頂上へ――木曽御嶽山に登る その二 | 楽土慢遊

飛騨口から仙人滝に寄って飛騨頂上へ――木曽御嶽山に登る その二

所在地:
[飛騨口] 岐阜県下呂市小坂町濁河(にごりご)温泉
交 通:
おんたけ交通 木曽福島駅発 チャオ御岳スノーリゾート線・濁河温泉線 所要時間90分 ※シーズンのみの運行

2006年8月17日(木):晴れのち曇り、小雨:濁河温泉・覚明荘→登山口→仙人滝→仙人橋→ジョーズ岩→湯の花峠→のぞき岩→お助け水→飛騨頂上神社









■ (木曽御嶽山に登る その一のつづき)濁河温泉・覚明荘に泊まり、まだ暗いうちに起きだし、身支度を整える。06:00前には宿を出て、登山口へと向かう。本日は飛騨口から登って、継子岳を経て広い山頂部の中央に位置するニノ池新館まで行くが、その二では飛騨頂上までの道程をまとめておく。

昨日お参りした御嶽山飛騨口里宮に寄り、冷たい御神水を飲んで目を覚ます。これから登る人間にとっては水場としてもありがたい。その一で予告したように、登山道に入ったらまず仙人滝を訪れる。

里宮から登山道を少し進むと仙人滝の道標が現れる。道標にしたがって左の道に入る。

川を渡り、まだ薄暗い谷間の道を進んでいくと、木々の間に落差30mの立派な滝が見えてくる。

仙人滝は信者の行場になっていたという。谷間の奥に位置しているので、遠くから眺めても非常に絵になるし、近くから見ても、水の勢い、赤茶けた岩肌、周囲の緑などが印象に残る。まだ明るくなる前という時間帯も独特の雰囲気を醸しだしている。

仙人滝の左手には、苔のうえを流れてきた水が、幾本もの筋となって落ちている場所がある。苔の緑と水の繊細な表情がとても美しい。

水に温泉成分が含まれているためか、石が独特の色に染まっている。

仙人滝への道標がたっていた分岐まで戻り、登山道を進む。この道は滝のわきを通っているので、道から滝の上部が見られる。

滝のわきにかけられた桟道を渡り、しばらく進むと草木谷の広い川原に出る。鉄製の仙人橋を渡り、右に進むと本格的な登り道になる。

樹林帯のなか、木道の登山道を登っていく。7合目を過ぎたあたりで、右上の斜面に巨岩群が現れる。そのうちのひとつがジョーズ岩と呼ばれている。確かにジョーズに見えないこともない。

淡い色の稜線が層をなす光景。木々の間からの眺めではあるが、なかなか美しかった。

07:30を回った頃に湯の花峠に到着。仙人滝でだいぶゆっくりしたのでこんなものだろう。尾根上に位置する湯の花峠は眺めもよいので、休憩することに。

湯の花峠から、午後に登る予定の摩利支天山の稜線。晴れてはいるが、上の方はガスに包まれている。

湯の花峠からはしばらく尾根道がつづく。草木谷を流れる沢が見える。

いまのところ天気は上々で、青空が広がっている。立ち枯れの木とのコントラストが美しい。

目と口がペイントされたかえる岩のわきを通り過ぎ、大岩と樹林の道を登っていく。

胡桃島口からの道との合流点を過ぎ、木々の間から朝の光がさす気持ちのいい樹林帯を進む。

道のわきで目を引く鮮やかな緑の葉はイワカガミか? 残念ながら花の時期は終わっている。

だんだん樹高が低くなり、森林限界を越える。晴れ間は見えるものの、上の方はガスが広がりつつある。

ハイマツ帯に入ってちらほら登山者を見かけるようになる。ちなみに、ガスの向こうに見えているのは空ではなく山肌である。

ガスに包まれたハイマツ帯を登る。晴れていれば濁河温泉街もよく見えるらしいが、なにも見えず。

火山ならではの奇岩やガスの合間に現れる摩利支天を眺めながら進む。ハイマツ帯がガレた道に変わると飛騨頂上はもうすぐだ。

10:00頃に飛騨頂上に到着。そこには飛騨頂上神社が鎮座している。

神社にお参りして、そこに祀られている大龍霊神が気になりだした。ハイマツ帯の道のわきに祀られていた行者の像も、もっと大きかったが、この霊神碑の後ろにたつ像と同じものだったと思う。だが、この行者のことを紹介するようなテキストを目にしたことがない。

飛騨頂上は、摩利支天山、賽の河原や剣ヶ峰、三ノ池や開田頂上、継子岳など、広い頂上部の様々な方向に向かう分岐点になっているが、われわれはまず継子岳に向かう。

木曽御嶽山に登る その三につづく)






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