大菩薩峠の南にそびえる小金沢山に登る、登山道の紅葉がきれいだった | 楽土慢遊

大菩薩峠の南にそびえる小金沢山に登る、登山道の紅葉がきれいだった

所在地:
山梨県大月市・甲州市
交 通:
中央本線塩山駅→大菩薩峠登山口行きバス

2009年10月24日(土):曇り:塩山駅→裂石(大菩薩峠登山口)→丸川峠分岐→千石茶屋→上日川峠→東屋→石丸峠→狼平→小金沢山山頂

■今回は大菩薩峠の南にそびえる小金沢山に登ることに。大菩薩峠や大菩薩嶺には登ったことがあるが、小金沢山ははじめてだ。大菩薩峠へのアクセスは、公共交通機関利用かマイカー(あるいはタクシー)利用かでかなり差が出る。

公共交通機関の場合は、JR塩山駅からバスで裂石の大菩薩峠登山口まで行き、そこから大菩薩エリアの拠点となる上日川峠まで林道と登山道を歩く。

マイカーの場合は、上日川峠までそのまま上がれる。「山と高原地図」では、裂石から上日川峠までの上りの時間は130分となっている。

ところが昨年(2008年)、便利なバス路線が登場した。昨年の夏に大菩薩峠と大菩薩嶺に登ったときにはまだなかったが、秋にJR甲斐大和駅と上日川峠を結ぶ路線が運行を開始した。これで公共交通機関でも上日川峠まで上がることができるようになった。

この新路線を利用するかどうかはコースによる。大菩薩峠や大菩薩嶺に登るだけなら、利用する気にはならない。上日川峠の標高は1580m(ちなみに裂石の標高は890m)で、1900mの大菩薩峠との標高差は320m、登りの時間は75分、2057mの大菩薩嶺との標高差は500m足らずで、唐松尾根を行けば登りの時間は95分。

これでは山の高さやスケール、自然や空気を身体で感じることはできない。しかも、裂石から上日川峠に至る登山道には、立派なブナやミズナラ、クリなどが目を引く樹林があり、とても気に入っている道でもある。

それでは大菩薩峠の南にそびえる小金沢山(2014m)に登る場合はどうか。地図では、上日川峠から石丸峠を経て小金沢山山頂まで3時間となっている。裂石から4時台か17:10のバスに乗って帰るためには、それなりのペースで歩かなければならないが、決して無理な条件ではないし、いいトレーニングになりそうなので今回も裂石から登ることにした。それに甲斐大和駅からの新路線は料金がずいぶん割高になるということもある。

ただしこれは、好天を前提にした選択である。2、3日前から大菩薩方面は快晴という予報がずっと続いていたので、天候については安心しきっていた。ところが電車から次第に明るくなる空を見上げるとどんよりと曇っている。

塩山駅から大菩薩峠登山口行きのバスに乗り、裂石に到着するが、天候は変わらない。番屋茶屋の前で準備し、軽く体をほぐす。そばで準備している男性に「今日は快晴の予報じゃなかったですか」と聞いてみると、こんな言葉が返ってきた。「自分もそのつもりで出てきたんですけど、さっき携帯でチェックしたら一日中曇りに変わってました」。ちなみに彼は、上日川峠から奥多摩方面に下る予定だという。筆者もそのコースは一度行ってみたいと思っている。

昨年の夏に大菩薩峠と大菩薩嶺に登ったときには、下山時に突然の激しい雨に見舞われているので、そんなことにならなければよいがと思いながら出発する。番屋茶屋からは、芦倉沢に沿ってしばらく車道を歩く。歩き出すとすぐに、左手に雲峰寺の石段や石碑がある。この寺は石段を中心になかなか味のある石の地蔵がたくさんあり、好きな場所なのだが、今日は時間がないので素通りする。

みそぎ沢を渡り、大きく蛇行する車道を進む。車道の周辺の樹林でも赤や黄の紅葉が見られる。丸川峠に向かうコースとの分岐を通過し、近道になる歩道に入り、再び車道に出る。石の地蔵が鎮座するカーブのところで橋を渡り、千石茶屋の軒下を通り抜け、林道を進んでいくと左手に登山口の標識がある。ここからしばらくは急な登りがつづく。

岩がごろごろした道を進む。周囲はだいぶ紅葉している。9:00前に第一展望台に到着。ここからは南アルプス方向の展望が開けている。曇り空なのでくっきりとした展望は望めないが、積み重なる稜線のグラデーションも悪くない。すでに書いたように、この道には、ブナやミズナラ、クリなど目を引く樹木が多く、歩いていて飽きない。

急いだつもりはないが、ここはすでに歩いている道なのでスムーズに進み、標準タイムより30分ほど早く、10:00前に上日川峠に到着した。この峠にはロッヂ長兵衛が建ち、公衆トイレもある。昨年の夏はここから唐松尾根→大菩薩嶺→大菩薩峠を回ったが、今回はまず石丸峠に向かう道に入る。

「石丸峠登山道」の標識に従って進む。上日川峠までは前後に登山者がいたが、ここからは一人だけの静かな山歩きになる。小さな沢を渡り、笹に覆われた樹林を進む。沢沿いにある東屋を通り過ぎ、唐松の樹林のなかを進む。唐松の紅葉は派手さはないが、同じ色で埋め尽くされた光景はとても美しい。

唐松の合間に見られる赤や黄の紅葉も、天気のわりに色鮮やかだった。

途中で車道を二度横切り、しばらく登ったところでふと振り返ってみると、木々の間から、今日は拝めないだろうと思っていた富士山が見えた。

この先、次第に道がなだらかになり、展望も徐々に開けてくる。右手にこれから登る小金沢山が見えてくる。その山頂まで山腹を大きく回りこんでいくので、先はまだ長い。

唐松の樹林を抜けて笹原に出ると、一気に展望が開け、見事なパノラマが広がる。これから登る小金沢山の重量感のある山容、その右奥には、先ほど木々の間から見た富士山がかなりくっきりと見える。さらに右に目を向けると、上日川ダムとその彼方に南アルプスも薄っすらと見える。

そして左方向、小金沢山の手前には、狼平と呼ばれる笹原が広がっている。奥多摩の雲取山と飛龍山の間にも狼平と呼ばれる場所があるが、個人的には気になる名前である。

その狼平に出るまでには、石丸峠を経て天狗棚山を越えなければならないが、このピークからの展望が素晴らしかった。大菩薩湖が見渡せるし、北に目を向けると、熊沢山と大菩薩嶺に連なる妙見ノ頭がよく見える。

天狗棚山を越え、笹原が気持ちいい狼平を抜けると最後の登りがはじまる。針葉樹林帯のなか、苔むす大岩や張り出した根、倒木などをすり抜けて進む。そして頂上にたどり着いたときには、パノラマは見事にガスに覆われていた。

ここまであまり休憩をとらなかったので、頂上ではゆっくりする。おにぎりやハンバーグ、リンゴや柿で腹を満たし、熱い紅茶を飲んでいるうちに、だんだんガスがとれてきた。

最初に奥多摩の長大な石尾根が浮かび上がってきた。それから富士山も裾野が姿を現した。全部見えるのではないかと待っているうちに、13:20になってしまったので出発する。下りは登りとまったく同じコースを行く。

結局、下りの間に富士山の山頂から雲がとれることはなかったが、雨にもふられなかった。上日川峠から少し下ったところで、お気に入りのミズナラの老木の写真を撮り、裂石には16:30に到着し、余裕でバスに乗り込んだ。

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